Vol.6 “Interview” Emi Murayama


第5回と第6回は、flowerの商品を支える“企画”と“バイヤー”のお二人に登場してもらいます。

自分が好きなブランドの企画とバイヤーはまさに憧れの職業。自分たちがデザインしたり、買い付けたアイテムが実際にお店に並ぶのですから、その責任は重大です。

前回は企画の本永さん(前回の記事はこちら)に登場してもらいましたが、古着なしにflowerは語れない!というわけで、今回はバイヤーの村山さんにその仕事内容についてインタビューしました。ただアメリカで古着を買ってくるといっても、実際のバイイングの様子までは意外と知られていません。村山さん、色々と大変そう・・・ですが、そのワイルドな体験談は一読の価値あり。

また、インタビューの途中では先日村山さんが買い付けてきたアイテムも一緒に紹介しています。今回はコーディネートに個性を出してくれる気の利いたロゴのスウェットが盛りだくさん。早速どうぞ。

flowerバイヤー 村山 瑛美

 

――村山さんがflowerに入ったきっかけは?

村山さん(以下M):19のときにflower神南店で販売のバイトを始めました。その頃は古着よりもとにかくflowerの雰囲気が好きで、オリジナル、リメイク、古着、何でも買っていましたね。お店がとにかく自由なことに驚きました。

――学校は服飾ですか?

M:そうです。1、2年のときは基礎的な洋服作りを学んでいたんですが、3年からは糸を紡いで生地を作るテキスタイルのコースに入りました。ここはとにかく地味な作業ばかりで、かなり忍耐強くなりましたね(笑)。もともとファッション業界で働くことは決めていたんです。

――どの時点でその進路を決めたんですか?

M:洋服には小学生の頃から興味がありました。GAPに行くのが楽しみで。中学生から自分で安い古着とかを買っていて、高校性になるとファッション業界で働きたいと思うようになりました。あと、雑誌で川島さん(※前flowerプレス)がよく出ていて、すごく影響を受けていましたね。

 就活では販売で受けた会社から内定をいただいたんですが、バイトの頃と環境を変えたいと思っていたんです。そしたら、flowerでバイヤーになれればアメリカ行ける!って思って(笑)。

 バイヤーやりたいって気持ちはもちろんありましたが、アメリカで働きたい、っていう気持ちの方が実は強かったです。自分だったら出来るって、なぜか自信がありましたね。そのあと新卒で採用されて、運良く卒業してすぐに買付に同行できました。

――最初アメリカで買い付けしたときに驚いたことは何ですか?

M:買付け場所がものすごく雑然としていて想像以上でした。LAに本社があるので、そこを拠点に現地はほとんど車移動ですね。運転も上手くなりました(笑)。1回の買い付けで1ヶ月くらいむこうに滞在するんです。

ヴィンテージのスウェットは今季も引き続きトレンド。

――写真も撮ったり?

M:撮ってますよ!泊まっているモーテルの様子とかも。どこも絵になりますしね。

 

――むこうでの楽しみといえば?

M:車から見る朝日ですね。私、朝焼けになる前のフリーウェイが好きで。だいたい4時くらい。

――買い付け中は何食べてるんですか?

M:ホールフーズっていうスーパーで野菜ばっかり食べています。ハンバーガーが本当に嫌で(笑)。むこうの人たちは毎日のように食べてますけどね。あ、In-N-Out Burgerは美味しかったですよ。ファストフードのチェーンですけど。

――英語は現地で学んだんですか?

M:実はいまでもあんまり得意ではないです(笑)。「Discount Please」は得意(笑)。おじさんはハグすればだいたいオーケーしてくれるし(笑)。そういえば、ハンバーガー屋でおごってくれた人もいました!私が注文しようとしたら「もう前の人が払っていますよ」って言われたんでびっくりしていたら、おじさんが「可愛いから良いよ」って。一人だったからちょっと怖かったんですけど(笑)。

――買い付けに行くのはお一人なんですね。

M:最初は足震えました。車で7時間移動するだけで緊張しちゃって。ちゃんと目的地に辿り着いたときは心底ホッとしました。当時はiPhoneもなかったので地図広げながら・・・

――買い付けには1年に何回?

M:6回くらいです。

――え、じゃあ1年の半分はアメリカなんですね。

M:そうですね。でもむこうで休みがない分、日本ではゆっくり過ごせてます。何か船乗りみたいな生活(笑)。

――自分でこの仕事に向いてるな、と思いますか?

M:向いていると思います。でも、買い付け中に洋服を見過ぎて何が良いのか分からなくなるときとか、そもそもアイテムが見つからないときはけっこう落ち込むかな・・・お店1軒まわって3枚とか。

――そんなワイルドな生活をしているようには見えないですよね。

M:男の子よりワイルドだと思います。だから、あんまり男性の前では仕事のこと言いたくないんですよ(笑)。

――あと、男性だとどうしても古着の年代とか気にしちゃうんですが、女性は感性で選べるのが強みですよね。

M:そうですね。flowerらしいスタイルに落とし込めるのかを考えます。あのスタッフが着てそうだな、とか。

――ご自身は古着と新品をどのくらいの割合で着ているんですか?

M:半分半分くらいですね。Tシャツとデニム、あとスニーカーは古着が多いかも。スニーカーはコンバースとヴァンズが好きで、たまにナイキ。

――スタイリングするときに気にするポイントはどこですか?

M:今回挙げた2つは両極端なスタイリングですが、メンズライクなアイテムを取り入れていますね。タイトスカートでもスウェットを合わせる。女性らしさの中にメンズ要素を取り入れるのが好きです。10代のころはガーリーな可愛らしいアイテムが好きだったのですが、その頃からはだいぶ好きなテイストが変わりましたね。昔は森ガールでした、いまは海が好き。

――海にはよく行くんですか?

M:もともと鎌倉が好きで、遊びに行っているうちに好きになった感じですね。将来は湘南方面に住みたいです。渋谷、新宿・・・都会がほんとうに苦手で(笑)。

――村山さんの夢を教えてください!

M:アメリカ以外にも色々な国に行きたいですね。この前バリに行ったときに、当たり前だけど国によってまったく違う文化・環境なんだな、って思って、アメリカ以外の他の国にももっと行ってみたいって。ただ観光地をまわるんじゃなくて、何かを吸収して帰りたいです。

――今日お話を伺って、色々苦労しながらも自分で良いと思ったものを選んで持って帰ってくるって、まさにバイイングだな、と思いました。今日はありがとうございました!

 flowerバイヤー 村山 瑛美

 flower神南店でショップスタッフを経験の後、バイヤーに就任。現在、バイヤーチーフとして活躍。

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